鴨川市 高台の大屋根住宅
高台に立つ大きな片流れ屋根が印象的な洋風住宅(建築形態) 新築一戸建て
(意匠志向) 洋風
(躯体構造) 木造軸組工法2階建て
(建築面積) 約24.0坪
(延床面積) 約35.0坪
(部屋構成) 3LDK+納戸+書斎
(建主世代) 30~40歳代
施主さんが家を建てようと決めてから4年超。
諸般の事情があり、建築が遅れましたが、その間にいろいろな建物を見て、勉強して建てた念願の我が家です。
基本設計を 設計士さんに依頼して概要を決め、その後は当社と施主さんでいろいろ話し合って煮詰めていくという珍しい形での進行となりました。
そのおかげで当社の考えを多く取り入れていただくことができ、とてもやりやすかったです。
東側から見た写真です。 大屋根の最も高い部分は約8.3m。 大きくそびえるように立つ壁は結構迫力があります。 | |
南西から見た写真です。 杉の破風板は特注で挽いた長尺物(長い物)を採用することで、高い耐久性を持たせています。 (こういうところは図面には書かれていないので業者によって差が出ます。) | |
北西から見た写真です。 この家の愛称にもなった、エンジ色をしたガルバリウム鋼板瓦棒葺きの大屋根が良く見えます。 元々シャープな屋根形状ですが、瓦棒葺きがさらにシャープに見せてくれます。 2階の屋根は断熱にこだわり、高性能断熱材+輻射シート+通気層という構造で屋根面に接した 吹き抜けの温度上昇を抑えています。 | |
外観の夜景です。 綺麗でしょ(笑) | |
玄関の写真です。 玄関ポーチの天井は杉板貼りで、白い左官壁(ジョリパッド仕上) と合わさることで、アクセント になっています。 小壁についているモニュメントは、奥様がお世話になっている方の手作りです。 シンプルな飾りがこの家に似合っています。 既製品ではないため少し工夫して取り付けました。 | |
リビングダイニングの写真です。 左側の高い位置に付いている窓は通風用の窓で、外部用のサッシ(内倒し窓)に厚めのガラスを入れ た物を付けることで、通風と防音性を高めています。 この平面計画のキッチンには収納を置くため通常の窓がとれないのですが、 高い位置に窓を付けて通 風を確保。 とても通風しやすく設計されているので、快適な部屋になっています。 | |
キッチンの写真です。 奥様こだわりの単体キッチンの組み合わせです。 メーカーはタカラスタンダード。 壁はホーローキッチンパネルなので、清掃性は抜群です。 吊り戸棚が無い開放的なキッチンで通風もしっかり確保できています。 | |
LDの隣にある和室です。 予備室的な部屋ですが、リビングの役目もします。 収納も十分確保できています。 中央上にある神棚スペースの横も、下の押し入れから使えるようになっています。 | |
洗面脱衣室です。 半分階段下にある部屋なのですが、めいっぱい広く出来るように階段の形を出しています。 通常ですと窓がない部屋なのですが、洗面台上に窓を付けることで、通風採光が確保できるようになっています。 | |
浴室です。 システムバスルームで、タカラスタンダード製。 施主さんがシャワーバーやミラーの位置などを指定してカスタマイズしたことで、 自分の使いやすい配置になりました。 | |
洋室です。 このお部屋は奥様のお仕事で使いますので、奥様の部屋でもあります。 奥様がこだわったグリーンのドアや雨戸がアクセントです。 壁や天井は防音性能を少し強化した仕様となっています。 | |
階段と廊下の写真です。 階段の天井は屋根なりの斜め天井。 廊下は低めの天井とすることで、変化があり、メリハリがあります。 | |
納戸です。 めいっぱい高さを取るために登り梁を見せるように現場で変更しました。 通風を取るために南北に窓を付けています。 | |
主寝室です。 大きな片流れ屋根が生み出す、大きな屋根下空間を利用した開放感のある吹き抜けです。 他の部屋よりも落ち着いた色合いの内装色や、左官壁や重厚なデザインの腰壁を採用することで、 より落ち着いた雰囲気の部屋になっています。 | |
主寝室の夜の写真です。 あえて暗めの照明計画をすることで、とても落ちついた雰囲気の部屋になりました。 吹き抜けの高い位置には窓を設けてあるので、通風や排熱にも有効です。 後ろにある書斎との間には通風用の引き違い窓を設置しているので通風性がアップしています。 | |
書斎です。 濃い茶色を採用することで他とは大きく違った雰囲気になっています。壁はジョリパッド塗り。 上部には大屋根の屋根下空間を利用した床面積から除外される規模のロフトがあります。 | |
バルコニーです。 海が見え街を見下ろす眺望の良さが自慢です。 当社では一体型バルコニーは防水性やメンテナンス性の観点などでからあまりお薦めしていません。 しかし御希望があれば施工しますので、より安全を心がけた施工をしました。 隣接する1階の天井裏の熱をより効率的に抜くために、バルコニーの内側の壁に図面にはなかった通気口を設けました。 これにより外部からの見た目の良さを向上と、排熱効率の良さを両立しています。 |
家を建てようと考えてから、着工までに時間があったため、勉強する時間がたくさんありました。
見学会などにもたくさん行ったようです。
そんな中で、私達の話を聞いて信頼をいただき、建築を依頼していただくことになりました。
私達と出会ってから、さらに知識を身につけ高い知識を持っていただき、家造りを出来たと思います。
この家は数社で入札する形で見積が行われました。
正直言うと、もっと安い見積を提示した業者はいました。 高い業者もいました。
通常であれば一番安い業者に決まるのが普通なのですが、家は既製品ではなく造り上げていく物。
図面が同じ場合、間取りなどは同じにできても、図面では表現できない部分(施工や取り組み方)は各施工者により様々ですので、必ずしも同じ物ができあがるわけではありません。
今回の施主さんは、私達の見積価格と建築に対する考えを考慮していただき依頼をいただきました。
よりよい物造りには手間がかかるものです。この決断にはとても感謝しています。
建築が始まってからは、携帯電話にメールを中心に毎日やりとりをしながら、細かい部分の話して煮詰めていきました。 時には図を書いて写真を撮り送ったり・・・。
建築中の私の携帯メールの半分以上は施主さんとのやりとりでした。そのおかげで仕事はスムーズに進みました。
施主さんは週に数日現場にも顔を出されてその熱心さを感じることが出来ました。
出来てしまえば他とそれほど変わらなく見えます。
しかし、長い目で見ていくと違ってくるのは見えにくい場所の気遣いや施工です。
施主さんに言われた嬉しい一言がありました。
「これだけ加瀬さんの話を聞き自分で納得して、これで不具合が起きてもあきらめがつきます。」 と。
ここまで信頼していただけたこと。 こんなありがたいことはありません。
建築屋が大型化して家造りが商業化してしまっている時代に、年間数棟と小さいながらも、家造りに 対して真面目に勉強しながら取り組み、やってきたことは無駄ではなかったと思うことが出来ました。
私達にとって嬉しい出会いでした。
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